喉に痰が張り付く・切れない、咳が出るのは風邪?
喉に痰が張り付いているような不快感が続くと、「風邪なのか、それとも別の病気なのか」と不安になる方も多いでしょう。痰がうまく切れずに喉の奥に残っている感じが続く場合、単なる風邪だけでなく、鼻水が喉へ流れ込む「後鼻漏(こうびろう)」や、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、咽喉頭逆流症(LPR)など、耳鼻咽喉科でよくみられる病気が隠れていることがあります。
とくに、風邪が治ったはずなのに痰だけが長引く、咳払いが癖になっている、朝に痰が多いといった症状が続く場合は要注意です。原因に合わせた治療を行うことで改善が期待できますので、症状が続く場合は早めの受診をおすすめします。
喉に痰が張り付くときに見られる症状
喉に痰が張り付く状態は、さまざまな症状を伴うことが多く、以下のようなサインが見られます。
- 常に痰が残っている感じ
喉の奥にネバつくものが張り付いているような感覚が続きます。 - 咳払いが止まらない
痰を取ろうとして「コホン、コホン」と咳払いが増え、慢性化することがあります。 - ネバネバした痰が続く
透明〜白色の痰が多いですが、病気によっては黄色・緑色のこともあります。 - 喉の違和感や声の出しづらさ
痰が声帯の動きを妨げ、声がかすれる・響きにくいなどの変化が起こります。
これらの症状が2週間以上続く場合、鼻・副鼻腔・喉のいずれかに異常があることが多いため、早めに耳鼻咽喉科での診察が安心です。
喉に痰が張り付く主な原因と考えられる病気
喉に痰が張り付く原因は多岐にわたり、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎、胃酸や消化物が喉まで上がる咽喉頭逆流症など、耳鼻咽喉科領域の病気で起こることが多くあります。また、乾燥や喫煙、声の使いすぎなどによる慢性的な炎症も痰を増やす原因になります。適切な検査によって原因を特定し、症状に合わせた治療を行うことが改善の近道です。
副鼻腔炎(慢性・急性)
急性副鼻腔炎は風邪の後に起こりやすく、黄色や緑色の粘度の高い鼻水や、顔の痛み、鼻詰まりなどを伴います。鼻水が増えることで後鼻漏が起き、喉に痰が張り付く原因になります。慢性副鼻腔炎では、症状が数ヶ月続き、においがわかりにくい、常に鼻の奥がスッキリしないといった症状が続きます。治療は内服薬や鼻洗浄が中心で、症状が強い場合は副鼻腔CTで状態を確認し、適切な治療方針を決定します。
当院では、副鼻腔炎の日帰り手術を行っておりますので、まずは一度ご相談ください。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎では、透明でサラサラした鼻水が増えやすく、これが喉に流れ込むことで痰のような違和感を引き起こします。くしゃみや鼻詰まりが同時に起こり、季節性の花粉症やハウスダストなどの通年性アレルギーでも起こります。アレルギーによる粘膜の腫れが続くと、後鼻漏が慢性化して痰が切れにくくなるため、抗アレルギー薬や点鼻薬を用いて根本的な炎症を抑えることが改善につながります。
また当院では、アレルギー性鼻炎の日帰り手術を行っております。
咽喉頭逆流症
咽喉頭逆流症は、胃酸や消化物が喉まで逆流することで喉の粘膜に炎症を起こし、痰が張り付くような感覚を引き起こす病気です。胸焼けがなくても喉だけに症状が出る場合があり、声がかすれる、咳が長引く、喉に違和感が続くなどが特徴です。生活習慣の見直しに加え、胃酸を抑える薬や喉の炎症を抑える薬を使うことで改善が期待できます。
喉の慢性炎症(乾燥・喫煙・声の使いすぎ)
空気の乾燥やタバコの煙、長時間の会話や声の使いすぎは喉の粘膜を傷つけ、炎症を長引かせます。その結果、喉の防御反応として粘液が増え、痰が張り付いたように感じることがあります。冬場やエアコン使用時に悪化することが多く、のど飴や加湿、声の負担を減らすことで改善が期待できます。喫煙者の場合は禁煙が最も効果的な治療法です。
慢性咽頭炎
慢性咽頭炎は、喉の粘膜に慢性的な炎症が続く病気です。乾燥・刺激物・喫煙・声の使いすぎなどが原因で、喉がイガイガする、痰が絡む、違和感が続くなどの症状が現れます。長期間続く後鼻漏によって悪化することもあります。治療は、喉の炎症を抑える薬物療法や吸入治療を行い、併せて生活習慣を見直すことが重要です。
風邪
風邪をひいた際にはウイルスや細菌による炎症で鼻水や痰が増えます。通常は数日〜1週間で改善しますが、炎症が長引くと痰だけが残ることがあります。風邪由来でも長引く場合は、後鼻漏や副鼻腔炎へ移行している可能性があるため注意が必要です。
市販薬で様子を見てもいい?
風邪症状が原因で痰が増えている場合、市販の去痰薬や鎮咳薬で改善することが多くあります。ただし、内服しても症状が長引く場合や、痰の色が変わる、強い鼻詰まりが続くなどの場合は、鼻や副鼻腔の病気が原因であることが多いため、耳鼻科への受診がおすすめです。
風邪なら改善することが多い
風邪による痰はウイルス感染が原因のため、数日〜1週間で自然に改善していくケースが多いです。市販の去痰薬・喉の炎症を抑える飴・加湿などで症状が緩和されることもあります。しかし、風邪が治ったはずなのに痰だけが続く場合は、後鼻漏や副鼻腔炎に移行している可能性があるため、注意が必要です。
1~2週間治らない場合は受診が必要
痰の症状が1〜2週間以上続く場合、単なる風邪ではなく他の病気が隠れていることが多くあります。とくに、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・咽喉頭逆流症は放置すると長期化しやすいため、耳鼻咽喉科での検査をおすすめします。
黄色や緑の痰が続く場合は要注意
黄色や緑色の痰は、感染のサインであることがあり、副鼻腔炎や気道の炎症が残っている可能性があります。風邪の治りかけでも色のついた痰がでることもありますが、抗菌薬が必要となる場合もあるため、医療機関で診断を受けるようにしましょう。
喉に痰が張り付く場合の検査
喉に痰が張り付く症状が続く場合、原因を明確にするために以下の検査を行います。耳鼻咽喉科では鼻・喉・声帯まで直接確認できるため、症状の原因を正確に把握できます。
喉の内視鏡
細い内視鏡を使って喉の奥や声帯の状態を確認します。炎症の程度や後鼻漏の状態を直接見ることができ、原因の特定に非常に有用です。
副鼻腔CT
副鼻腔の炎症や膿のたまり具合を詳しく調べる検査です。慢性副鼻腔炎が疑われる場合に行われ、治療方針の決定に役立ちます。
アレルギー検査
血液検査などでアレルギーの有無を調べます。アレルギー性鼻炎が原因で後鼻漏が起きている場合、治療方針を明確にできます。
喉に痰が張り付く場合の治療方法

治療は原因に合わせて行います。副鼻腔炎、アレルギー、胃酸逆流による炎症など、症状の元となる病気に応じた治療を行うことで、喉の痰・咳の改善が期待できます。
副鼻腔炎の治療
副鼻腔炎では、抗菌薬や消炎薬、粘液を排出しやすくする薬を使用します。慢性化している場合には長期治療が必要になることもあり、症状に応じて治療内容を調整します。
これらの保存的治療にて改善が見られない場合、副鼻腔炎の手術(日帰り)を行います。
アレルギー性鼻炎の治療
抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などでアレルギー症状を抑えます。アレルゲンへの対策と併せて行うことで、鼻水の減少・後鼻漏の改善が期待できます。また、体質改善により長期寛解を目指す「舌下免疫療法」にも対応しています。
薬などの保存的治療では効果が得られない場合に、日帰りでのアレルギー性鼻炎の手術を行います。
咽喉頭逆流症の治療
胃酸逆流を抑える薬、胃の動きを整える薬などを使用し、喉の炎症を改善します。食後すぐ横にならない、脂っこい食事を控えるなどの生活指導も重要です。
喉の慢性炎症(乾燥・喫煙・声の使いすぎ)
加湿、禁煙、喉の負担を減らすことが重要です。必要に応じて喉の炎症を抑える薬や吸入治療を行い、慢性化した炎症の改善を図ります。
慢性咽頭炎
喉の長期的な炎症を改善するため、喉の炎症を抑える薬・吸入療法・生活習慣の改善を組み合わせます。原因に応じて治療を長期的に行うことがあります。
風邪
風邪が原因の場合は、炎症を抑える治療や症状を軽減させる薬を使用します。症状に応じて適切に対処することで、痰の張り付く不快感も改善していきます。
自宅でできる喉のケア方法
喉に痰が張り付く症状を軽減するためには、日常生活でのケアも効果的です。加湿、水分補給、鼻うがい、のど飴などのセルフケアを取り入れることで、症状の悪化を防ぎ改善を促します。
加湿する
室内の乾燥は喉の炎症を悪化させます。加湿器を活用することで粘膜の保湿が保たれ、痰が切れやすくなります。
鼻うがいをする
鼻の奥の余分な粘液やアレルゲンを洗い流し、後鼻漏や鼻詰まりの改善に効果的です。
水分摂取をする
こまめに水分を取ることで、痰が柔らかくなり排出しやすくなります。
禁煙する
タバコは喉の炎症を悪化させ、痰が増える原因になります。禁煙することで症状改善が期待できます。














